| 株式会社コンビンスアイ https://convince.jp 働く人を豊かにします Mon, 11 Sep 2023 11:20:42 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.8.9 https://convince.jp/wp-content/uploads/2020/02/cropped-58dff57337ee22086c0ebcb79a17d18c-32x32.png | 株式会社コンビンスアイ https://convince.jp 32 32 感情と向き合うことの難しさ https://convince.jp/20230911-2/ Mon, 11 Sep 2023 11:20:40 +0000 https://convince.jp/?p=4379 感情知能(EQ)の開発支援に携わる者として、感情と向き合うことの大切さを様々な場面でお伝えしてます。
自分自身もまた、実践者として注意深く感情を見つめるように日頃から心掛けてます。
今そんな自分に一つの試練が訪れています。

10日ほど前、愛犬が亡くなりました。9歳6ヵ月の命でした。

亡くなった瞬間から今に至るまで、様々な感情が沸いていた(いる)と思います。
悲しみ、寂しさ、喪失感、無力感、絶望感、徒労感、放心、後悔、怒り、猜疑心、拒絶、嫉妬、孤独感、、、

EQを活用する上で大事なことは、脳科学的に解釈するとすれば、大脳辺縁系(感情脳)で勝手に湧き上がってくる感情に対してその周りを覆っている大脳皮質(認知脳)でしっかり認識してあげることが重要です。
自己認識やメタ認知の重要性をよく耳にしますが、自分がどんな状態にあるのか客観的に認識することで、冷静な判断や望ましい行動へ影響を及ぼしていくことが可能と言われています。

また、EQを働かせる上でもう一つ大切なことは、感情はメッセージだということを認識することです。
例えば、どうして悲しい感情が生まれるのでしょう。それは失った大切なものが何か、私たちに気づかせてくれるからではないでしょうか。感情には私たちに気づかせ意識的にさせる働きがあることを理解しておくことで、感情に流されたり、感情にハイジャックされる(囚われる)ことを防ぐことが可能となります。

とは言っても、、、自分が持っている認知的知識をフル稼働させてみたりしても、そう簡単にこの感情が収まる訳ではありません。寂しい、淋しい、後悔、後悔、後悔、そんな感情がグルグル周り続けています。

ところで、感情にはこんな特徴もあります。
感情には濃いものから薄いものまで様々な濃淡があると言われます。そして強烈なインパクトのある強い感情であっても、それが未来永劫保持されることはありません。強烈さは必ず薄れていきます。私たちは忘れる生き物と言われますが、脳が忘却することをその機能の一部として元々備えているとすれば、実に有益な機能という気がします。(認知障害を患っておられる方には不謹慎かも知れませんが)
そんなことを考えてましたら、あるビジネスパートナーの女性が『子供を産んだときのあの痛みを全く覚えていない、あんなに苦痛だったはずなのに。。』とおっしゃっていて、時間と共に忘れていくことは実は生きていく上でとても大事なことではないかという話になりました。

果たして私にもこの時間の効果が表れてくれるでしょうか。
あの日から10日が過ぎ、こうして言語化にトライしていること自体、既に時間の効果が出てきているのかも知れません。

昨晩、相変わらず気怠くボーとしながら何気なくネットでアメリカの映画を観てましたら、最後にこういう台詞が出てきました。

“寂しさはこの世界の一部。悲しみがなければ、幸せも味わえない”
(原文:Missing people is the part of this world. Without that sadness, you can’t taste sweet.)

エルちゃん、想像していた時間よりだいぶ短い間だったけど、たくさんの幸せをありがとう。

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自己パターンを振り返ってみて https://convince.jp/20221229-2/ Thu, 29 Dec 2022 08:00:00 +0000 https://convince.jp/?p=4346

日頃ありがちな自分の行動パターンや考え方のクセ、
皆さんはどのくらい頭に浮かぶでしょうか。

普段の私達は無意識的に行動することが多いとすれば、
自分のパターンがパッと頭に浮かぶことは余りないのかも知れません。
そんなときは少し立ち止まって意識的に自分を振り返ることで、徐々にパターンを認識できそうです。

年末という否が応でもその年を振り返ってみたくなる時期に、
自分の中でこの作業を行ってみるのは良い機会かも知れません。

そこで今回は私自身のパターンについて振り返ってみました。

私の場合、例えばチームで打ち合わせしているときにも自己パターンが表れていそうです。
ミーティング中に部下にあたる人が、評論家のようにただ議論に参加している状況になると、
不機嫌になる、黙りがちになる自分がいたりします。
感情としては、イラッとする、がっかり、不満、などがありそうです。
思考としては、どうしてメモを取らないのか、なんでまとめ役を買って出ないのか、
といったものがありそうです。

では、どうしてそのようなパターンになってしまうのでしょうか?
おそらく、「部下は一番手を動かすべき」というベキ論が私の中にはあるような気がします。
これは私が歩んできた社会人経験の中で形成されてきたベキ論ではないかと考えられます。
私が新人で入社した会社では、一番目下のメンバーが会議の議事録を取るなど、
実務的に一番手を動かすことを常に求められていましたし、徹底もされていました。
時を経て逆に新人を指導する立場になっても、そのスタンスは同じでした。
かつての私がそう指導されたように、私も部下の方に対して、とにかく手を動かすことを求めました。
例えば海外との英語によるミーティング時でさえ、議事録は会議中もしくは会議終了直後に発行することを求めたりしてました。
そんな社会人経験を経てきて、「部下は一番手を動かすべき」というベキ論が今も頭の中にこびりついているのかも知れません。

しかし今年、あるプロジェクトに携わる中で、この自己パターンに気づかされる事がありました。
それは、そのプロジェクトを推進するリーダー、いわば一番目上の方ともいうべき人が、
とにかく自分で手を動かしている場面に遭遇したことです。
メンバーの意見を受け入れつつ、まとめること、段取りをつけること、
基本的にはご自身で手を動かしながら進められてました。それもごく自然体で、です。

この場面を目の当たりにしたとき、先ほどの私の自己パターンは些か傲慢で、意識的に見直した方が良さそうに思われました。
その後も同じような場面は私にも何度となく訪れる訳ですが、そのことがあってからは、一度立ち止まり、
自分の中のベキ論が前面に出すぎていないかを意識するようになりました。
そして、自分が手を動かすことを取り入れるように心がけるようになっていきました。

もちろん部下育成という観点でいえば、
時に部下自身に手を動かしてもらい実務スキルを習得してもらうことも大事でしょう。
”あの上司なんでも自分でやっちゃうんだよね”、”全然任せてくれないんだよね”といった、
部下のモチベーションを損なわない関わり方も当然重要になるでしょう。

しかし、上司だから部下だから、実務をこなすのが部下だから、上司は管理する立場だから、
といったベキ論だけを翳(かざ)していても、物事は前に進んでいかないのもまた事実なのかも知れません。

皆さんが大切にされているベキ論、拘り、正義、価値とはどんなものでしょうか。
そして、そのことが実は自分のある種の行動パターンを生み出しているとすれば、それはどんなことでしょうか。
そんな視点で今年一年を振り返ってみるのも、また面白いかもしれませんね。


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成長感について https://convince.jp/20221103-2/ Thu, 03 Nov 2022 08:00:00 +0000 https://convince.jp/?p=4334

企業研修やワークショップあるいは個人コーチングやカウンセリングなど、
あらゆる場面で「自分のモチベーションはどこにある?」という話題になることがあります。

そんな時、ある種のフレームワークや幾つかの問いかけを重ねながら、
自身の内に潜んでいるであろうモチベーションを探っていきます。

この1ヵ月も新人さん、若手リーダー層、管理職、経営層など様々な方々と関わる中で、
このモチベーションに触れる場面が多くありました。

では、実際どんなところで私達はモチベーションが上がっていくのでしょうか。
もちろんそれは画一的なものではなく、人それぞれ、モチベーションが上がる要素は千差万別と言えるでしょう。

明確な目標が定まったとき、信頼感が生まれたとき、達成感を得られたとき、、、
様々なケースがありそうです。

そんな中で多くの方が挙げられることの一つに、「成長できたと感じるとき」 があります。

今まで出来なかったことができるようになって成長感を感じた、
困難なことにチャレンジして乗り越えられたときに成長感を感じた、

そういったときに成長感を感じるケースが多い印象です。
どんなときに成長感を感じるのか、これもまた、人それぞれ、ライフステージなどその時々で変化していくものかも知れません。

日頃は“どんなときに成長感を感じますか?”などとお聴きすることが多いのですが、
では、自分自身はどうだろうと少し振り返ってみました。

最近、私が成長感を感じたときは、「赦(ゆる)したとき」、「手放したとき」です。
何かに囚われたり、固執したり、殊更その部分だけに自分のエネルギーを使ってしまっている場合がありました。
囚われている自分を俯瞰的に捉える試みをして、そんな自分を解放してあげる、意識的にそういった自己選択をする。
私の中でそんな思考プロセスとかメカニズムが働いているように思われます。

誰かを赦し、その人の幸せを願う、
拘っているものをきれいサッパリ手放し、新たなものを目指して一歩踏み出す、

そんなとき、少しだけ成長できたかなと思える瞬間が今の私にはありました。

皆さんはどんなときに成長感を感じるでしょうか。

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レジリエンスを高めるために https://convince.jp/resilience/ Mon, 30 Aug 2021 04:35:24 +0000 https://convince.jp/?p=4183

新型コロナウィルスが各地で猛威をふるい続け、様々な制約や変化が強いられる中、働く人のメンタルヘルスはますます重要な課題となってきていると言えます。そしてこのような状況において、難しい状況でも柔軟に適応したり回復できる力、レジリエンスは一層求められる力になってきているのではないでしょうか。

今回はそのレジリエンスを高めていくにあたり、脳科学、心理学を基盤とした3つのポイントを、米国シックスセカンズ本部の記事に基づいてご紹介したいと思います。

1.レジリエンスの高い脳の特徴 ― 感情にラベリングしよう

ハーバード大の研究によると、レジリエンスの高い人の脳は組成が異なっているそうです。

まず、レジリエンスの高い人の脳は、感情的な反応や気分のコントロール、意味づけなどに関与している領域である左前頭前野の活動が活発なのだそうです。レジリエンス研究で知られるR.デーヴィッドソン博士によるとレジリエンスの高い人は低い人に比べて30倍も活動量が高いと言います。

また、左前頭前野と扁桃体(闘うか、逃げるか、固まるか(Fight-Flight-Freeze)の反応を引き起こす脳の脅威検出センター)との間の結合レベルにもレジリエンスの高さに関係があることがわかっています。前頭前野と扁桃体のつながりが強固なほど、レジリエンスが高いというわけです。

この二つの部位の関係性で思い出されるのは、EQでは感情にラベリングすると感情が鎮静化する(例えば怒っているときに「私は怒っている」と一度ラベリングすると怒りが少しおさまる)ということをよく言いますが、これも実は同じことで、感情にラベリングすると左前頭前野が活性化し、扁桃体が落ち着くためなのです。

感情にラベリングして扁桃体を落ち着かせれば、冷静に前に進むための選択肢が見えやすくなる、つまり難しい局面でも冷静に対応していきやすくなる、ということで、感情にラベリングすることはレジリエンスにおいて大切な第一歩と言えそうです。

2.レジリエンスが高い人が自分をどうとらえているか ― 自分は学んでいるのだと考えよう

E・ワーナーという心理学者がハワイの698人の子どもたちを対象に、レジリエンスの違いをうむ要素を調査しました。その結果、社会的なものも含めて様々な要因がある中、心理学的な要素で影響の大きいものの一つに「内的統制(locus of contro)」と呼ばれるものがあったそうです。これは、自分の人生を決めるのは外的な要因ではなく、自分自身であると考えられるタイプであるかどうか、ということで、レジリエンスの高い子どもたちはこのスコアが明らかに高かったのです。

自分が物事をコントロールできているという感覚と、逆境に対する反応については、マーティン・セリグマン博士の学習性無気力の研究が有名です。何をしてもショックを与えられると思い込んだ犬と、状況をコントロールできる犬では、前者が諦めてしまうのに対し、後者は適応する方法を習得しました。人間においても同じことが言え、自分はコントロールできる、自分の行動が変化をもたらす、と認識できるかどうかが大きな違いとなるのです。

つまり、レジリエンスには、誰もが学ぶことのできるスキルである”楽観性”が大きく関与していることになります。

3.レジリエンスの高い人は逆境をどう解釈するか ― 楽観性を発揮していく

学習性無気力の研究を継続していく中で、逆境への反応の違いは、逆境をどうとらえるかによって大きく異なることがわかりました。下の図に見るように、悲観的な人と楽観的な人では逆境の捉え方が大きく異なっています。

マーティン・セリグマン博士の3Psモデル

悲観的なものの見方をする人は、学習性無気力や鬱状態に陥りやすい傾向があります。しかしマーティン・セリグマン博士は、この解釈スタイルは学習することができることを発見しました。そして悲観的から楽観的な解釈スタイルに変えることで、レジリエンスが高まり、鬱にもなりにくいこともわかったのです。


「感情にラベリングすると、より冷静な判断・対応がしやすくなる」
「楽観的なものの見方が困難を乗り越えるのにカギになる」
「楽観性は後天的なもので、学習することが可能」

記事からはこうしたことが要点として浮かび上がってきました。

今、とても大変な状況で先が見えない、という状況にいると、感情を認めることは怖い部分ももしかしたらあるかもしれません。でも感情を無視することは長期的にはその感情を強めてしまうこともわかっています。

感情をしっかり見据えながら、思考とうまくバランスをとって行動に反映させていく―――そうしたEQ力は今のような難しい世の中で、欠かせない力と言えそうです。

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コロナ禍がEQに及ぼした影響と、今必要性の高まるEQコンピテンシーとは https://convince.jp/impact_of_pandemic_on_eq/ Thu, 01 Jul 2021 05:54:58 +0000 https://convince.jp/?p=4157 コロナ禍は私たちのEQにどのような影響を及ぼしたと思われますか?

アメリカのシックスセカンズ本部の記事によると、全世界で2017年から上昇を続けていたEQスコアはコロナ禍のあった2020年に下降してしまったそうです(右図)。

弊社が活用しているシックスセカンズ社のEQモデルには8つのEQコンピテンシーがありますが、この中でも特に下落が大きかったのが、どのような状況でも展望が見出せる力、つまり「楽観性の発揮」で、5%下落しています。若い層での下落が大きく影響したようで、45歳以降は+1%なのに対し、35歳以下で‐11%でした。また(8つのコンピテンシーには含まれませんが)楽観性と関連した能力である「協力する力」「想像力」「リスクをとる力」なども世界的に10%以上も下落したそうです。

楽観性が低くなると生じる課題

記事によると、神経生物学的にこれは当然の結果であり、強いストレス下では目の前の脅威に集中するために創造性や思いやり、ビジョンを描く力などは意図的にシャットダウンされてしまうものなのだそうです。

しかし一方で、こうした生物学的な反応は、本来、目の前のトラのような実在する短期間の脅威に対する反応なのであって、コロナ禍のような脅威において同様の反応をすることには二つの問題があることも指摘しています。一つは、このような長期間のストレス下においては極度の疲労につながりかねないこと。もう一つは、楽観性が非常に重要な能力であるという点。より良い判断を下したり、質の高い関係を築いたり、より効果的に働いたり、心身の健康を保つことと楽観性は相関性がとても高いことがわかっているのです。

唯一上昇したEQコンピテンシーは

8つのうち7つのコンピテンシーが下落する中、一つだけ上昇しているものがありました。「結果を見すえた思考」、つまり物事のメリット、デメリットを考えてから行動できる力です。外食しても大丈夫だろうか?このイベントは開催してよいだろうか?買い物に行って大丈夫だろうか?・・・等、当たり前に行っていたことを、皆さんもこれまで以上に慎重に吟味するようになったのではないでしょうか。

「結果を見すえた思考」は「楽観性の発揮」とはよく対比的に見るコンピテンシーなので、これが上昇したのは不思議ではありません。EQアセスメントで「結果を見すえた思考」が「楽観性の発揮」より高めに出た場合、その方はあれこれ考えてなかなか行動に移せないという傾向があるのではないか、と分析します。今世界全体が慎重になり、なかなか前に進めない、という状況はある意味イメージ通りではないでしょうか?

意識的に楽観性を発揮していく

EQでは自分の気持ちや考えを「知る」ことをした上で、行動を「選び」、自分を「活かし」ていきます。

まだまだ出口は完全には見えていないコロナ禍ではありますが、ワクチンが徐々に行きわたってきたり、これまでとは段階も変わりつつあるのかもしれません。記事ではそろそろ希望や楽観性を「選ぶ」ときにきつつあるのではないかと提言しています。

コロナ禍で登場した言葉に”ニューノーマル”というものがあります。これは当初、もう過去と同じようなことはできないから受け入れるしかない、といった否定的な意味合いを含んでいました。でも最近ここにもっとポジティブな意味合いが生まれ始めているのではないかと述べられています。このような危機は人生に一度あるかないか。だからこの機会を今までの習慣的なパターンを見直す良い機会にしよう、もっと意図的に選択をしていこう、という考え方になりつつあるのではないか、というわけです。

世界には気候変動、人種差別、貧富の格差など、これまでのやり方から生まれてきた様々な問題が残っています。こうした問題を解消していくには、行動を起こしていく事、そして全く新しいアプローチや方法が必要となります。そこで、コロナ禍という危機を乗り越えるために抑えられていた楽観性、創造性、協力といった能力が、これまで以上に欠かせなくなるだろう―――として記事は締めくくられています。


ワクチン接種も早く進んだアメリカの記事なので、もしかしたら半歩先を行っている内容なのかもしれません。また、人によってもコロナ禍で受けた影響は大きく異なり、決してすべての人にとって楽観的になれるタイミングというわけではないでしょう。

でも、一度立ち止まり、新たな視点で自分自身の立ち位置や心の持ち方を確認をしてみても良い時なのかもしれません。

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