これからの企業や働く人に求められる姿勢とは

今月世界経済フォーラム(通称ダボス会議)が開催されました。今年は環境のテーマに関する注目度が圧倒的に高く、グレタ・トゥンベリさんや彼女をめぐる発言も多く報道されていました。

ビジネスに関してはStakeholder Capitalism(ステークホルダー資本主義)、Reskilling(スキルアップ、新たなスキルの習得)といった言葉がキーワードとなっているように感じられます。

ステークホルダー(利害関係者)資本主義とは、これまでの利益を上げ株主に還元することを最重視する株主資本主義に対し、従業員、顧客、サプライヤー、株主そして地域社会、環境などすべてのステークホルダーを重視する姿勢です。短期的な利益を上げるだけでなく、環境や社会問題に取り組む姿勢や、利益を超えてどのような目的をもった企業であるかも問われるようになってきていると言えそうです。

ゴールドマンサックスは 女性のボードメンバーがいない企業のIPOは担当しないと宣言したそうです(関連記事)。過去の実績からそのような企業のパフォーマンスは明らかに劣っていたということですが、多様性を重んじる姿勢を明確に宣言することは企業としての強いメッセージと映ります。

一方、働く個人にも変化が求められています。人間が担ってきた仕事がテクノロジーに置き換えられ従来の仕事が失われていく一方、新しい分野での需要が高まるため、個々が新しいスキルを身に着け(Reskilling)ていくことが不可欠になっていくのでしょう(関連記事)。第4次産業革命において、企業としてはこれなしに雇用を維持したり、発展を続けていくことが難しくなりますから、積極的に従業員の教育をしていく必要があるでしょう。

こうしてみると、企業も個人も、社会におけるそれぞれの存在意義が問われる時代なのだと感じます。人間だからこそ持てるビジョンを持ち、先行きの見えない世界でも使命を貫いていける企業や個人。そういうところにこそ人が集まり、アイデアが集まり、可能性が広がるのかもしれません。