「責任・主体性」を促す組織風土を生むための4つの問い

経営者やマネージャーの中には、従業員や部下が受け身で仕事に主体的に取り組んでくれない、とお悩みの方も多いかもしれません。従業員の責任感や主体性を育むためにどうすればよいのか、今日は米国シックスセカンズCEO、ジョシュア・フリードマン氏の記事に書かれていることをご紹介したいと思います。

唐突ですが、皆さんは責任と英語でいうときにResponsibility(レスポンシビリティ)とAccountability(アカウンタビリティ)という二つの表現があることをご存知でしょうか。この2つの単語は同じ「責任」という日本語でも、英語では使われ方が異なっていて、Responsibilityは「何かをする責任」、Accountabilityは「結果に対する責任」を意味します。今回の記事の原文で使われている「責任」は後者のAccountabilityで、記事の中でこの言葉を「自分の選択から生まれた結果に対する責任を引き受ける、ということ」と説明しています。

さて、こう聞くとAccountabilityは少し重く感じられてこないでしょうか。ただ責任(Responsibility)をもって何かをやるだけでなく、結果も引き受けていかなくてはならないのです。失敗をすればそれは自分の失敗と認め、対処していかなくてはいけないのです。しかし一方で、Accountabilityを持つことは、(記事の言葉でいうならば)人に責任を押し付けず、自らが自らの「人生の手綱を握る」ということになり、自分自身の人生を「主体的に」生きることに繋がるわけです。

これを考えたとき、経営者やマネージャーの方であっても、本当の意味で責任と主体性を持つということは、逃げたくなることもあるのではないでしょうか。そして記事にもあるように 誰かに責任を持たせる、などということは簡単にできることではなく、そのような場や機会、意義を、用意することが経営者やマネージャーに求められる仕事なのかもしれません。

「責任(Accountability)・主体性」を促す組織風土を生むために紹介されている4つの問いは以下です。ご自身に尋ねてみて、皆さんはいかがでしょうか。

1) 「隠していない?」
(自分自身、まはた相手は)責任を恐れ、出すべき成果物や達成条件等をあいまいにしていないでしょうか。詳細を明確にし、きっちりと責任を引き受けているでしょうか。

2) 「はぐらかしていない?」
自分自身が責任を取るかどうか、言い切っていますか。「やってみます!」のような、できないかもしれない余白を残すような言い方ではなく、「やります!」と意志を持ってはっきりと言えているでしょうか。

3) 「尻拭いをし過ぎていない?」
誰かが失敗したとき、それでも良しとしてしまったり自分がその人の尻拭いをしてしまうことは、相手が責任感・主体性を育む機会を阻害することになります。失敗を直接指摘するのは気まずいものですが、それを避けることは相手から学びの機会を奪うことになるのです。しっかりと相手を尊重した上で、言うべきことを言っていますか。

4)「学びのサポートになっている?」
責任や主体性を育む真の目的とは「成長」。私たちは日々成長のチャンスに恵まれています。ですから、どの瞬間にも意識的かつ意図的に向き合い、行動を選択していくことが大切なのです。失敗もあるでしょうし、迷いもあるでしょうが、それでも自らが向き合い選択していくこと、これが出来ているでしょうか。

(オリジナルの記事はこちら)