ウィルスより”感染力”の強いもの
先週新型コロナウィルスについての記事を掲載させていただきましたが(関連記事はこちら)、米国シックスセカンズのホームページにも各専門家によるコロナウィルス関連の記事が取り上げられています(関連記事はこちら)。
それらのうち、複数の記事に共通して取り上げられている視点に”感情の伝播”の問題があります。今やコロナウィルスよりもずっと速いスピードで恐怖心や不安は世界中に伝播しています。私たちはこれとどう向き合う必要があるのでしょう。
感情の伝播に最も寄与しているものの一つがSNSです。
アラバマ大学のリー助教授がオンラインでの感情伝播について行った調査結果によると、恐怖や怒りを起こさせる情報ほど人はリツイートする可能性が高い、しかもその情報が正しいかどうかを確認していなかったとしてもそうである、ということが分かったそうです。さらに、恐怖をあおる間違った情報が一度出ると、それを後から訂正してもほとんど効果がないことも分かったそうです。
こうした伝染力の高い「恐怖心」への対処法としては、先日の記事でもお伝えしたように、まずは恐怖心を抱いていること、感情の伝播という現象があることを認識し、受け止めること、そしてそれに対して「反応」ではなく冷静に「対応」することである、とこれらの記事でも指摘されています。
さらにこの感情の伝播に対しては、「SNSでむやみに情報を拡散しない」ということも覚えておかなくてはいけないポイントになりそうです。確認されていない情報や、恐怖を煽るだけの情報は、インパクトが強くてもそれ以上拡げない注意が必要ではないでしょうか。
また、情報の受け手としても、根拠の不確かな情報になるべく触れないようにする、信頼できる情報を必要な時にだけ確認し、あとはするべきこと(手洗い、人ごみを避けるなど)を適切な範囲で行う(買い占めなどをしない)、という態度が求められるのではないでしょうか。
日々、テレビやネットのニュース、SNSではコロナウィルス関連のニュースであふれています。私たちはそれらとどのように付き合うべきか、今一度見直すときかもしれません。