コロナ禍を切り抜けるモチベーションを生み出すために必要なこと

新規感染者数が少し落ち着き、Go Toキャンペーンが展開されたり人々の往来や活動が徐々に通常に戻りつつあると感じていた矢先、また感染者が急激に増え、第三波が迫っているとみられています。先の見えない中、なんとか模索していかなければいけない状況はまだまだ続きそうです。本当に苦しい状況にいらっしゃる企業様も多いのではないでしょうか。

現在、皆さんや、皆さんの会社の方々はどのようなお気持ちでいらっしゃるでしょうか。仕事に向き合う感情に変化はありますか。

少し前の記事ですが、興味深い調査結果を見つけましたので内容をご紹介したいと思います。(オリジナル記事はこちらから

記事はJTBが、コロナ時代に働く人のモチベーションがどのような状態であるかを把握するため、今年8月に全国の企業に勤める男女620人にインターネット調査をした結果についての報告です。

この調査において、コロナ禍以降の仕事に対する意識を尋ねた結果を見ると、コロナ禍で仕事ができない状態に陥ったり、それを身近に感じたせいでしょうか、最も多くの人が「仕事が出来ることの大切さに気づいた」と回答しています。一方、2番目に多かったのは「コロナ禍の仕事への影響は、自分の力ではどうすることもできないと感じる」でした。仕事ができることはありがたいものの、コロナ禍において仕事が脅かされても、自分はどうしようもない、と無力感を感じている人が多いようです。

こうした状況は想像に難くないでしょう。コロナ禍においては自分たちではどうしようもないことが非常に多く、半ば諦めの気持ちになってしまうこともあるかもしれません。

では、そのような状況の中においても、モチベーションを保つには何が必要なのでしょう

この記事では調査結果を、東日本大震災後の調査結果と比較しています。

それによると、「仕事への影響を最小限に食い止めようと、がんばっている」と回答した人は、震災後の時より倍近く高い結果になっています。そしてどのような人がそうした「がんばろう」という気持ちを持っているのかというと、「現在の会社で働いていることを誇りに思う」「自ら会社のビジョンや理念を実現したいと思う」と感じている人ほど、がんばろう、という気持ちが強い、という傾向が明確に表れています。

また一方、このように「がんばろう」と思う人の割合も高い反面、仕事でやる気が下がったり、集中力が落ちたり、といった人の割合は、逆に大震災後の時と比べてほぼ倍の2,3割に上りました。東日本大震災の時には「復興」という明確な目標があったのに対し、コロナ禍においては、見通しも立ちにくく、目指すべき目標も見えづらくなっているのかもしれません。とりあえず目の前のことを精いっぱい頑張るしかない、というケースもきっと多いのではないでしょうか。

こうしたことを考えると、社員が目指すべき方向性を見出し、がんばろうという気持ちを持続させていくには、改めて意義あるビジョンを共有したり、長期的な目標を示すこと、そして社員自身がそれらに十分に納得できていることが大変重要になってくると言えそうです。皆さんが従業員の立場だとすれば、ご自身の人生や仕事におけるビジョンを考え直し、今目の前の仕事がどのように社会に役だったり、自分自身の人生の幸福に寄与しているものか、見つめなおしてみられても良いのかもしれません。

コロナ禍は良くも悪くも世界を大きく動かしています。今まで通りのやり方を続けるだけでは限界があることもあるでしょう。こんな時こそ、一度会社の存在意義や今自分がしている仕事の意義、自分の人生の方向を見つめなおしてみる必要がありそうです。