不確実性との向き合い方
コロナウィルスは日本でも感染者数が急増し、欧米のような事態も他人事とは言えない状況になってきています。
一方、先月からの休校や在宅ワーク、外出・行動自粛などで、これまでと異なる生活スタイルを強いられ、すでに疲弊や閉塞感を感じ始めている人もいるかもしれません。
いったいいつまでこのような状況が続くのでしょう?
日本ではどこまで広がるのでしょう?
収束後の経済はどうなってしまうのでしょう?
・・・
未曽有の事態で、わからないことだらけです。
世界最大のEQ開発組織・シックスセカンズ社の最新記事はこうした不確実性との付き合い方について紹介しています。(オリジナル記事はこちら)
記事によると脳にとっては不確実であることより、これから何か悪いことが起こる、とわかっているほうがまだましなのだそうです。それだけ不確実ということが人間は苦手というわけです。
そのような不確実性にどう対応するか――。
以前お伝えした内容とも重なりますが、やはり感情を認めること、そして自分に選択肢があることを知ることが大切だと指摘されています。
感情は押さえつけようとすると余計に強くなります。不安や怖れを感じているならまずそれを認めること。それに対して何か判断を入れたり、行動を起こしたりする必要はありません。ただ、認めるのです。
また、人は一度に複数の感情を抱いているものです。例えば不安が大きくてほかの感情が見えなくなっているかもしれませんが、もしかするとそこに別の感情がわいているかもしれません。例えば、この機会に新たなテクノロジーを自分の生活の中に活用してみようかという「興味」の気持ちが存在しているかもしれません。コロナウィルスのために困った状態に陥った人の力になりたいという「思いやり」の気持ちから来る前向きな意欲があるかもしれません。そうした感情に目を向け、今出来ることをしていくことも大切かもしれません。
コロナウィルスで様々な制約を強いられる中、ふと思い浮かぶのはヴィクトール・フランクルの『夜と霧』です。ナチスの強制収容所に入れられながらも、人間としての尊厳を失わなかった人たちの存在が描かれています。いつかまた自由になれるのか、明日も生きながらえられるのか、大切な人は生きているのか、そんなことすらわからない状況にあっても、人はどう行動するかを選べるわけです。まさに、自分に選択肢があることを知ることが大切だといえそうです。
普段通りとはいきませんが、今も、あるいは今だからできることはたくさんあります。そうしたことに少しずつでも取り組んでみるのはいかがでしょうか。