EQを知ろう②―3つの探求領域

前回EQとは何かということをお伝えしましたが、これからはEQを構成要素に分解してより細かくご紹介していきたいと思います。
図のようにシックスセカンズのEQモデルは3つの探求領域と8つのコンピテンシー(能力)から構成されています。今回はまず、より大きなくくりである3つの探求領域、「知る」「選ぶ」「活かす」についてご紹介します。

まず最初の「知る」とは、自分の感情や行動を認識することです。
自分自身がどういう感情を持っているかがわかっていなければ、感情に振り回されやすくなる、ということは前回お伝えしました。自分がイライラしていると明確に認識せずに誰かと会話すると、相手に不快な話し方をしてしまうかもしれません。「知る」力があれば、イライラしていることを認識し、より適切な行動に結びつけやすくなります。

二つ目の「選ぶ」とは、意識的に行動を選択していけることです。
例えば関係部門が思ったように動いてくれず、非常に腹が立っていたとします。感情に任せてそのままそれを会議の場でぶちまけてしまったら、それは”意識的な”選択ではありません。しかし「選ぶ」力があれば、ほかの対応を考え、選ぶことができます。例えば問題となっている点を挙げて、解決法を冷静に議論する、という選択をするかもしれません。

三つ目の「活かす」とは目的・ビジョンに基づいた行動をとることです。
他者を尊重しつつ、自分がどういう人生を歩みたいかを知り、それに基づいて日々の行動がとれることです。この長期的な人生の目的意識については、日本の会社勤めの方々は苦手な傾向があるようです。忙しい毎日に流されがちで、なかなか自分が何のために生きているのか、人生でどんなことを成し遂げたいのかを考える余裕がないのかもしれません。

この三つの領域は互いに関係しあっていて、それぞれを高めていくことで相乗効果があると言われます。人によって得意な分野は異なりますが、まず最初に意識していきたい領域は「知る」ではないかと思います。自分自身を知らずして、行動を選んだり、高い目的を達成したりすることは困難だからです。

そこで次回は「知る」のコンピテンシーと、その伸ばし方のヒントについてご紹介していきたいと思います。


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