EQを知ろう③ ― 感情リテラシー

EQを知ろうシリーズ、前回は3つの領域についてお話ししました。
この3つの領域は下の図に見られるように、それぞれ複数のコンピテンシーから構成されています。これらは合計で8つあり、今回から各コンピテンシーについて一つずつお伝えしていきます。

感情リテラシーとは

感情リテラシーはEQの8つのコンピテンシー(能力)で最初に来るように、EQを開発していく上でベースとなるコンピテンシーです。

「リテラシー」とは読み書き能力のことで、感情を単純なものから複雑なものまで認識し、それを言葉にできる力のことを言います。
「そういわれると悲しい」、「あの時はがっかりしたけれど、同時にほっとした」、等・・・

感情はあなた(またはその感情を持つ相手)について大切な情報を与えてくれます。あなたがどんな時にやる気がでるのか、あなたは何を大切に思っているのか、守りたいものは何なのか、そのようなことを知るカギとなるのです。

また同時に、感情を認識することは、あなたがとる反応を選ぶのにも役立ちます。感情を認識しないでいると、衝動に駆られた行動をとることに繋がります。しかし、感情を認識すれば、そこで少し冷静になることができ、次の行動を選ぶことができるのです。

感情リテラシーを高めるために

感情リテラシーを高めていくにあたっては、感情にまずは目を向け、それを言葉に表す習慣をつけるのが有効です。
例えば”感情日記”として、その日あったことを思い出しながら、その時どんな気持ちがしたのか、なぜそのような気持ちがしたのか、などを書くのもいいでしょう。留意したいことは、湧き上がった思いや感情を表現すること(ジャーナリング)が大切で、起きたことの事実を記すこと(ログ)とは違います。誰にも見せる必要はないので、出来るだけ正直に、ありのままを書くことが大切です。
また、感情についての知識を深めたり、感情語の語彙を増やすのも有効です。

でも人によっては「感情が大切なもの」という認識がそもそもないかもしれません。その場合は、まずは感情に好奇心を持って眺めること、ここから始めてみませんか。


関連記事

EQを知ろう―EQとは?
EQを知ろう②―3つの探求領域

前の記事

名付けて、手懐ける